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丹後風土記 浦嶼子伝説 :: 2010/12/17(Fri)

丹後風土記逸文による浦島太郎の伝説。全文は次の通り。


筒川の嶼子(水江の浦の嶼子)
(丹後の国の風土記に曰ふ)

与謝の郡。日置の里。この里に筒川村がある。ここの民で、日下部の首らの先祖である
名を筒川の嶼子という者がいた。生まれつき容姿がすぐれて優雅なことはこの上なかった。
世間でいう水江の浦の嶼子という者である。

以下の話は前任の国守である伊預部の連馬養様が記している内容と矛盾するところはない。
よってこの昔話の概略をここに記すこととする。


長谷の朝倉の宮で天下を治められた天皇(雄略)の御世のこと。

嶼子は、一人で小船に乗って大海に漕ぎ出して釣りをしていた。
三日三夜が経過したが、一匹の魚も釣れず、ただ五色(青・赤・黄・白・黒)に
輝く亀を釣り上げた。おかしなこともあるものだと思ってその亀を船の中に
置いたまま、まどろんだところ、その亀はたちまち美しい乙女になった。

嶼子は、どこから来たのか、と尋ねると、
乙女は、風と雲に乗ってやって来た、と応えた。
嶼子はまた尋ねた。その風と雲はどこから来たのか、問うと
乙女は、天の神仙の家からです。どうかそのことを疑わないで、相い語りあい
愛しみあいましょう、と応えた。

彼女が神仙の娘であると知って恐れたが、
乙女は、私の思いは、無窮の天地、永遠の日月と共に、永遠に添い続けようと
思っています。
しかし、あなたはどう思っているのですか、と語った。
嶼子は、もとより我が心にもゆるみはない、と応えたのであった。
乙女は、舟を漕いで常世の国に参りましょう、と言った。

嶼子が舟を漕ごうとすると、乙女はその目を閉じさせ、眠らせた。
すると瞬く間に、海の中の大きな島に到着した。その島の様子は宝玉を
敷きつめているように美しいものであった。城門も宮殿も全て照り輝いていた。

門にいたると、乙女はここでしばらくお待ち下さいと言って、一人で入って行った。

そこへ七人の童子がやってきて、亀姫のつれあいだと語り合った。
また八人の童子がやってきて、亀姫のつれあいだと語り合った。

そうこうするうちに乙女が戻って来たので、嶼子は童子たちの話をすると
乙女は、七人の童子はすばる星、八人の童子はアメフリ星で、怪しいものでは
ありません、といって宮殿の門へ島子を導き入れた。


亀姫の父母が現れ、乙女の兄弟姉妹たちと共に、
島子を山海の珍味や歌や舞でもてなした。
夕方、宴がはてた後で、嶼子は乙女と交わった。

こうして嶼子は、元の世を忘れ仙人世界に遊び、三年はうち過ぎてしまった。

ある日、急に望郷の念が起こり、ただ父母のことを思い出し嘆き悲しんだ。

亀姫がこの頃のあなたの顔色はいつもとは違います。どうかその理由を
聞かせてください、と声をかけた。
嶼子は、私たち人間は死ぬまで故郷を忘れることは出来ない、
だから嘆くのです。と答えた。

では、故郷に帰りたいのですね。と亀姫が聞くと、
嶼子は、暫くの間、故郷に帰り、父母に会いたいものだと応えた。

亀姫は涙を拭って嘆いて、ともに万世をちぎったのに、ただ一夜で故郷を慕って
私を棄てるのですね、と責めたが、悲しみをおさえて、父母兄弟と共に
嶼子を見送った。

その時、亀姫は玉匣(玉手箱)を嶼子に授け、私を忘れないで
常世の国へ帰ろうと想うなら、けっしてこの玉を開けて見てはなりません。といった。
やがて、二隻の船に分乗し、(亀姫は境界で嶼子を)眠らると、
たちまち故郷の筒川の郷に戻ってきた。

しかし村を見回したが、人も物もみな移り変わり、見知らぬものばかりであった。
そこで村の人に、水江の浦の嶼子の家は今どこにあるのかと尋ねると
村人は、あなたは一体どこの人なのか。大昔の人を尋ねているのか。
私が古老たちから聞いた話だが、『前代に水江の浦の嶼子という者がいた、
その男はただ一人海原に漕ぎ出して二度と戻って来ることはなかった』という。
既に三百年余がたつのに、何でこんな話を持ち出すのか、というのであった。

そこで茫然とした虚ろな心で故郷を探し回ったけれども、早くも一か月余が
過ぎてしまった。
嶼子は、亀姫への思募でいっぱいになり、玉匣を開いてみると、
亀姫のかぐわしい姿が現れるやいなや、それは風となって天に飛び去っていった。

嶼子は、亀姫に二度と会えないことを知り、天を仰いで海辺にたたずんだ。
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